石巻・相馬・ 陸前高田から メッセージ

石巻の阿部です。
震災前は縫製工場に勤めていましたが、震災の津波被害で浸水したため工場が閉鎖し、私を含め多くの社員が他の仕事を探さなければならなくなりました。
現在、介護・水産加工・瓦礫分別などの就職口しかなく、私自身がそうでしたが、希望の職に就けない人もいます。
そこでこれではいけないと思い、弱者や女性の雇用を生み出すために、昨年の12月にアトリエ阿友美をオープン致しました。
震災から2年半が経ちますが、いまだにJR仙石線の一部が途切れていて、その区間は代替バスに乗るか、仙台駅から石巻への高速バスを利用する等、交通も不便なままです。
でも、石巻の人々は本当に頑張っており、少しずつ活気を取り戻しています。
一針一針心をこめて縫製致しますので、皆さまにぜひ応援していただきたいと思います。

陸前高田の徳山です。
私は以前、ちりめんやカントリードールの教室をやっていたのですが、津波で教室が流され、そこに置いていた作品、手芸材料の全てを失ってしまいました。最初はショックで何も手につかなかったのですが、数ヵ月後に、仮設ではありますが、ヤルキタウン(復興支援商店街)の中に、手作りのお店めぐみをオープンしました。時々「ニットカフェ」を開き、皆でおしゃべりしながら手芸をする、コミュニティの場となっています。
夢中で手を動かしているときは、色々なことが忘れられます。手作りをすることで達成感も生まれます。被災地における手仕事は、かつての生活を取り戻すための手段であるだけでなく、作り手を癒してくれるものであると感じます。キラ・ウエアの「デコペン」は、私たち陸前高田チームの作品です。気に入っていただけると嬉しいです。

相馬の高橋です。
震災関連の報道を見ますと、福島県はほとんど原発事故の話ばかりですが、実際は津波の被害も甚大で、いまだ完全復興というには遠い状態です。
漁業は再開されましたが、仕事をやめてしまった人も多く、若い人への技術継承ができないという問題は深刻です。
縫製に関しましても、以前の東北地方は大変盛んだったのですが、今は海外からの安価な製品が市場を席巻していることもあり、震災の前から大変厳しい状況でした。
メイド・イン・東北の製品を買うことは、決して復興支援というだけでなく、日本全体を元気にすることだと思っています。
どうぞご理解とご協力をお願いいたします。